第125章 人に襲われた

その話を聞いて、有岡里穂ははっと思い出した。午後、帰宅したときに自分でも料理を作っていたのだ。

彼女は勢いよく立ち上がり、阿部蓮太郎の腕をぐいっと掴んでダイニングへ引っ張っていく。

「今日、放課後が早かったから。ついでに、ちょっと作ってみたの」

時間があったのもある。けれどそれ以上に、阿部蓮太郎にお礼がしたかった。

助けてもらってばかりだ。治療はもう始まっている。それでも、彼女なりにできることをしたかった。だから、阿部蓮太郎が帰宅する前に、精一杯の夕食を用意した。

「これ……全部、君が作ったのか?」

阿部蓮太郎が目を丸くする。

勉強ができることも、仕事ができることも知っている。...

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